原発再稼働により電気代は安くなるのか
皆さま、こんにちは!
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日本は「2050年カーボンニュートラル」の達成に向けて、
2030年度に 2013年度比-46%温室効果ガスを削減する目標を掲げています。
現在、日本の温室効果ガス排出量は、火力発電からの排出量が4割を占めています。
なかでも石炭火力発電は最も多くの二酸化炭素を排出し、
火力発電全体からの二酸化炭素排出量の6割近くを占める排出源となっています。
世界では脱炭素に向けて、石炭火力発電の2030年までの段階的廃止が要請されている中、
日本は高効率な石炭火力発電の技術開発(USCなど)を進めていますが、
日本でも石炭火力発電の新規建設にかかわる事業や、融資の原則中止を表明する企業が出てきています。
本日は、火力発電にかわる「原子力発電」のメリットや、
原発再稼働によって我々の電気料金が削減できるのかについて解説していきます。
原子力のメリット①温室効果ガスを排出しない
以下の表は、日本における電源種別ライフサイクルCO2です。
1kWhあたり、どのくらいCO2を排出しているかを示しています。
単位:kg-CO2/kWh
※発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から諸設備の建設・燃料輸送・精製・運用・保守等のために消費されるすべてのエネルギーを対象としてCO2排出量を算出。
※原子力については、現在計画中の使用済み燃料国内再処理・プルサーマル利用(1回リサイクルを前提)・高レベル放射性廃棄物(0.020kg-CO2/kWh)の結果を設備容量に基づき平均。
出典:電力中央研究所報告書
原子力発電は、エネルギー密度が高く、供給安定性に優れており、
発電時にCO2を排出しません。
そのため、脱炭素化に向けての電源として、原子力発電は注目されているのです。
原子力のメリット②燃料の安定供給
原子力発電の燃料となるウランは、
石油に比べて政情の安定した国々に埋蔵しているため、資源の安定確保が可能です。
電源別の中東依存度は以下です。
中東依存度(2019年) | |
石油 | 88.4% |
LNG | 17.8% |
石炭 | 0% |
原子力 | 0% |
再エネ | 0% |
また、ウランは再処理することで繰り返し燃料として活用できるため、
燃料の少ない日本にとっては大きなメリットです。
原子力のメリット③発電コストが安い
引用:資源エネルギー庁HP https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/denki_cost.html
太陽光(事業用)が12.9円に対し、原子力は11.5円〜となっています。
LNGと比較すると、原子力の方が高いですが、
発電時にCO2を排出しない電源の中では、発電コストが低くなっています。
原発再稼働で電気代は下がるのか?
原発は発電コストが他の電源の平均より低くなっています。
そのため、原発を再稼働させると電気代が下がるのではないか、と思われるかもしれません。
結論から申し上げますと、原発再稼働で電気代は下がりません。
それは、大手電力会社の電気料金は、ある程度原発再稼働を前提にして算出されているからです。
電気料金は、燃料費や減価償却費の原価から設定されていますが、
その中に、原発再稼働にかかる費用も含まれているのです。
実際に、原発再稼働の推進は加速しています。
2011年3月に発生した、東京電力福島第一原発事故の後、
日本国内の原発はいったんすべて運転を停止しましたが、
現在(2022年9月13日)、資源・エネルギー庁から発表されている
原子力発電所の現状は以下です。
2021年3月4日時点の状況 | 2022年9月13日時点の状況 | |
再稼働 | 9基(稼働中4基、停止中5基) | 10基(稼働中6基、停止中4基) |
設置変更許可 | 7基 | 7基 |
新規制基準審査中 | 11基 | 10基 |
未申請 | 9基 | 9基 |
廃炉 | 24基 | 24基 |
2021年3月時点から、再稼働している原発が増えている状況であり、
今後も再稼働を推進していくとされています。
そのために、新規制基準が策定されています。
従来の規制基準は以下でした。
<従来の規制基準>
・耐震・耐津波性能
・自然現象に対する考慮
・火災に対する考慮
・電源の信頼性
・その他の設備の性能
新規制基準では上記に加えて、テロ対策やシビアアクシデント対策が盛り込まれています。
<新規制基準>
・耐震・耐津波性能
・内部溢水に対する考慮(新)
・自然現象に対する考慮(火山・竜巻・森林火災を新設)
・火災に対する考慮
・電源の信頼性
・その他の設備の性能
・意図的な航空機衝突への対応(新)
・放射性物質の拡散抑制対策(新)
・格納容器破損防止対策(新)
・炉心損傷防止対策(複数の機器の故障を想定)(新)
このように、高い独立性を有する原子力規制委員会の下、
世界で最も厳しい水準の新規制基準を策定し、リスクガバナンスを確率させ、
再稼働を推進しています。
関西電力でも、美浜3号機が再稼働され、
高浜1・2号機も再稼働に向けて、設置変更許可が進められています。
このように、
再稼働が実際に進められている中で電気料金が決められているので、
今すぐ電気料金が下がることはまずございません。
そのため、原発再稼働を待つのではなく、
電気代削減の対策を自らで行いましょう。
電気代削減の対策はこちらのコラムで紹介しているのでご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。